第652章 陥れる

一つの投稿だけのことなのに、何でもないと思っていたのに、削除しても次々と新しい投稿が現れるなんて。それだけならまだしも、最初は彼が女性にセクハラした件について話していたネットユーザーたちが、あっという間に海藍醇液の話題に移ってしまうなんて!

一度や二度ではない、また彼のお酒に問題があると言う人が出てきた!

みんな愚かな人たちばかりだ。お酒の味は明らかに同じなのに、どうして問題があるなんて言えるのか?

「卓海洋、私はこれだけの金を玉霊酒業の宣伝のために使ったわけじゃない。この問題を早く解決した方がいい。さもなければ、我々の損失は深刻なものになるぞ!」ジェームズは卓海洋を見つめ、不満げに言った。

もし最初に白俞安が彼の投資を拒否していなければ、絶対に卓海洋を選ぶことはなかっただろう。

卓海洋がこんなに役立たずだとわかっていたら、その金をもっと適切な会社に投資した方がましだったのに!

卓海洋は困り果て、イライラが頂点に達していた。「わかりました、ジェームズさん。ご安心ください、この問題は必ず解決します。」

「そうであることを願うよ!」

ジェームズは鼻を鳴らし、後ろの人が車椅子を押して出て行った。

ジェームズの背中を見ながら、卓海洋は頭を抱えそうになった。考えた末、側にいる人に言った。「金宇杉に連絡して、公の場で彼の立場を表明してもらおう。それから、広報に声明文を書かせて発表しよう。もし誰かがまた噂を広めるなら、我が社は法的責任を追及すると。」

側にいたスタッフはすぐに頷き、急いで仕事に取り掛かった。

その日、ネット上には人気俳優の金宇杉のインタビューが現れた。景雲昭は画面の人物を見つめ、目に深い思いを浮かべていた。

この金宇杉は名が知れ渡っており、海洋商事の製品の代弁者になる前は、いくつかの人気アイドルドラマに出演したばかりで、顔で食べている人物だった。人気のある間に急いで多くの広告を引き受け、その中には自動車、化粧品、スナック菓子などが含まれていた。これは人気が落ちた後でも、稼げるうちに稼いでおこうという算段だった。

しかし、彼のマネジメント会社は広告の選び方があまり上手くないようだ。海洋商事のお酒は発売されたばかりで、長期的な発展能力があるかどうかもわからないのに、すでに彼のために契約を結んでいた。