第661章 当事者は迷う

景雲昭は両手を軽く握り締め、目の前の主任を見つめていた。

「景雲昭、君は学校に嘘をつかせようというのか？」主任は少し驚いていた。彼の目には、景雲昭はとても頑固で正義感の強い人物だったからだ。今、写真を否認する態度は、普段の人柄とあまりにもかけ離れているように思えた。

「嘘が一人の将来を救えるなら、それは存在すべきものです」景雲昭は躊躇なく言い、さらに続けた。「もし受け入れられないなら、別の選択肢もあります」

「海清に一時的に自宅学習をさせてください。彼女はまだこの学校の生徒です。ただ、対外的な発表では、保護者たちを安心させるために、事態が明らかになるまで一時的に休ませると説明する必要があります。蕭海清が自ら望んだのではなく被害者であることを証明する適切な証拠を見つけたら、彼女はいつでも戻ってこられます」景雲昭は考えた後、さらに言った。

しかし、この言葉に二人とも少し戸惑った。

蕭海清も困惑した表情を浮かべていた。

適切な証拠？この件はもう決着がついているはずだ。景雲昭はそれを理解していないのか？しかも、写真は相手が切り取ったものだ。完全な動画が残っているはずがない。どうやって彼女が自ら望んだものではないと証明できるのか？

蕭海清は完全に混乱していた。主任も少し戸惑ったが、考えた後で言った。「時間が欲しいということか？わかった、2週間だ。もしその間に説明がつかなければ...学校の指導部に、試験前まで彼女を自宅学習させるよう提案する。ただし、その時点では彼女が無実だとは言えなくなる。必ず反省の場を設けなければならない」

景雲昭はうなずいた。「問題ありません」

二人が事務室を出ると、景雲昭の緊張した神経は少し緩んだ。

「雲昭、あの写真は私も一部持っているけど、全部が私に不利なものばかりで、ジェームズに不利なものはとっくに削除されてしまったの...」蕭海清は非常に困惑していた。

景雲昭はため息をついた。「偽造することもできるじゃないか？」

「海清、もし私があなたの立場なら、相手が自分の弱みを握っていると知った時、共倒れを考えたりはしない」景雲昭は彼女を見つめ、目に冷たい光を宿して言った。「相手を死なせるだけだ。だから、次はこんな馬鹿なことはしないでくれ」

「まだどうやって...まさか写真を撮り直すの？」蕭海清の頭に突然ひらめいた。