第682章 因縁の相手と狭い道で出会う

声を聞いて、三人は思わず姚寶寶を見た。姚寶寶はすぐに頭を引っ込めた。「あの...私は予言なんてできないよ。ただ高所からものを投げるのは...良くないと思っただけ」

「良くないのは分かってるけど、置く場所がないんだもの！」霍天仙はため息をつき、髪を手で一束ねにして、ドアを開けて階段を下りた。

景雲昭たち三人も仕方なく後について見に行った。

階下では、一人の女子学生が地面に倒れており、周りには散らばった包装袋と彼女自身の荷物があった。

その顔を見て、景雲昭は冷や汗をかいた。まさに因縁の相手と狭い道で出くわすとはこのこと。霍天仙が誰かに物を落としたのが悪いというより、よりによって陶鴿に当たってしまったのだ！

「どうしたの？」任星月は景雲昭が眉をひそめるのを見て尋ねた。

景雲昭は首を振った。

実際、物は人に当たっていなかった。この様子では陶鴿は避けたようだが、避ける際に転んで手を擦りむいたようだ。

霍天仙はその性格が激しく、派手なタイプで、近づくと陶鴿を見て言った。「大丈夫？怪我してないの？もし怪我してたら病院に連れて行くわよ」

陶鴿は腹に一杯の怒りを抱えていた。

電車で景雲昭に会って恥をかかされたのはまだしも、やっと学校に着いて、近くの寮に向かおうとしたところで、また災難が降ってきたのだ！

本当に今日は暦を見ずに出かけたせいで、こんなに運が悪いのだろう！

「私が大丈夫だと思う？こんな風に物を投げ捨てたら人を殺すかもしれないって分かってる？！」陶鴿は怒って叫び、視線が霍天仙の後ろにいる景雲昭に向かうと、さらに怒りが増した。「景雲昭、あなたが彼女に投げさせたんでしょう？電車の中であなたに謝ったのに、そんなに人の弱みにつけ込むの？もし私が怪我したら、あなたはその責任を取れるの！？」

この言葉に、他の三人は驚いた表情で景雲昭を見た。

霍天仙は口角を引きつらせた。「あなたたち知り合いなの？」

「まあね、同じ県から来て、電車で偶然会って、少しもめたんだ」景雲昭は答えた。

「そうなの？」霍天仙は少し驚いた。

彼女は寮の仲間たちはみんな裕福な家庭出身だと思っていた。この寮はかなり高価だからだ。普通の家庭なら6人部屋か8人部屋を選ぶだろう。もちろん、法外に高いわけではないが、主に景雲昭の雰囲気からそう思ったのだ。