この女性はほとんど強引に彼女の手に物を押し付けた。その袋は大きくなく、中には化粧品が入っているようだった。袋の外側にはブランド名が書かれており、彼女はあまり詳しくなかったが、この女性が渡す時の誇らしげな様子を見ると、かなり高価なものだろう。
景雲昭は頷いて微笑んだ。「ありがとうございます、おばさん」
女性はようやく満足した。
そして体をくねらせながら娘を手伝いに行ったが、何度か試みても効果はあまり良くなかった。この女性の忍耐も尽きかけていて、景雲昭ともう一人の同級生の方を向いて言った。「二人とも?ちょっと手伝ってもらえない…」
景雲昭ともう一人の同級生は顔を見合わせ、苦笑いしながら自分の荷物を置いて前に出て整理し始めた。
宝児と呼ばれるこの女の子が持ってきた物はとても多く、ほとんどがピンク色だった。ピンクのベッドカバー、ピンクのカーテン、ピンク色の服、さらには携帯電話やパソコンまでもがピンク色のケースだった。
景雲昭は彼女のベッドの名札を見た。そこには「姚寶寶」と書かれていた。
この姚寶寶は見た目も悪くなく、少し赤ちゃんぽい丸顔で、甘い系のまん丸顔、髪をお団子にしていた。ただ背は高くなく、おそらく160センチにも満たないだろう。見た目は小さなロリータのようだった。
純粋でぼんやりした表情をしており、その様子に景雲昭はテレビドラマに出てくるお馬鹿な純粋無垢なヒロインを思い出さずにはいられなかった。
「私は任星月よ、よろしく、これからお互いに助け合っていきましょう」片付けがほぼ終わった頃、もう一人の女の子が彼女に笑いかけた。
任星月はショートヘアで、黒いシャツにジーンズを合わせ、少し地味な印象だった。顔には黒縁メガネをかけており、容姿は際立って美しいわけではないが、醜くもなかった。身長は景雲昭とほぼ同じで、女子の中では背が高い方だったが、体つきはやや痩せ気味で、あまり話さないタイプに見えた。
景雲昭は微笑み返した。
四人部屋のうち、まだ一人来ていなかった。
「まあ、あなたたちは本当に上手ね、こんなに早く片付けられるなんて…」母娘は横に立ち、拍手して喜びそうな様子だった。
景雲昭は口角を引きつらせながら、自分の荷物を取り出した。