黒川浩二は指先で画面を軽くタップし、メッセージを送信した:グループ内の年末ボーナスは没収です@藤沢蒼汰。
内田須美子:???
みんな:!!!
黒川社長はいつから社長室の従業員グループに入ったの??
藤沢蒼汰はメンションを受け取り、思わず彼らに同情した:承知しました、社長。
黒川浩二はスマートフォンを置き、しばらくしてからまた別のメッセージを送信した。
黒川浩二:今後、社長夫人の陰口を叩いた者は全員ボーナス没収とする。
みんな:!!!!
以前、黒川社長が結婚したと聞いて、誰がそんな凄腕で社長を手なずけたのか気になって噂していた。
みんな一致して、きっと国を傾けるほどの美貌で、才気煥発で手練手管に長けた毒婦に違いないと思っていたのに……
社長夫人がまさかこんな可愛い女の子だったなんて!!!
内田須美子は率直すぎて思わずメッセージを送ってしまった:社長って若い子好きなんですね!
黒川・若い子好き・浩二:内田須美子、今月のボーナスは全額没収@藤沢蒼汰。
内田須美子は息が詰まりそうになり、スマートフォンを抱えて叫んだ:「やめてください、社長!私が悪かったです……社長、もう一度チャンスをください!!」
黒川浩二はそのままスマートフォンを置き、チャンスなど与えるはずもなく、ソファで真剣に絵を描いている坂本・若草・加奈を見上げ、思わず眉間を押さえた。
彼女は以前、自分の年齢が高すぎると文句を言っていたようだ!!
自分は彼女よりたった9歳年上なだけで、そんなに年寄りでもないだろう。
……
坂本真理子は会社に戻ると、坂本加奈が黒川浩二のオフィスに来ていることを知った。上階に向かうエレベーターの中で自分の部署の数人と出くわし、みんな殷勤に寄ってきた。
「関口兄さん、妹さんは成人してますよね?彼氏とかいないんですか?いないなら、僕のことを考えてもらえませんか!」
「お前は向こうに行け、ゲームばかりしてる奴に恋愛なんて無理だ!関口兄さん、僕を選んでください。これからは義理の兄さんの言うことをちゃんと聞きますから……」
「おい!お前は関口兄さんと結婚したいのか、それとも関口兄さんの妹と結婚したいのか?もしかして、お前ゲイで、ずっと関口兄さんのことを……」