第218章:恋愛脳

「これは輸入したコーヒー豆で、会社全体でもうちの休憩室にしかないのよ」と内田須美子が答えた。

坂本加奈は「技術部にもないの?」と尋ねた。

内田須美子は首を振って、「だから坂本部長がよく上がってきてコーヒーを飲みに来るの。毎回飲んだ後で黒川社長のケチさを文句言うのよ、資本家だって!」

結果として、毎回黒川社長のコーヒー消費量は他の休憩室の2倍になっていた。

「じゃあ、もう一杯入れて。お兄ちゃんに持って行きたいの!」この数日、お兄ちゃんはおばあちゃんの葬儀で疲れているはず。人のふんどしで相撲を取るようだけど、きっと喜んでくれるはず。

おそらく浩二が世界一だと言ったことで、お兄ちゃんに申し訳ない気持ちになったのだろう。

浩二はとても素晴らしいけど、お兄ちゃんも同じくらい素晴らしい。二人の間に優劣をつけることはできない。