第248章:ダンス

坂本加奈:?

黒川浩二は頭を下げて彼女の唇にキスをした。

唇を深く重ね合わせながら、声を潜めて「その前に、僕のために踊ってくれないか」と言った。

……

坂本加奈は今夜きっと狂ってしまったに違いない。だからこそ路上で黒川浩二とキスをしてしまったのだ。

路上から車の中まで、そして家に着くまで、唇を離すことはなかった。

彼の低く掠れた声には魔力があるかのように、布地の少ない服に着替えさせ、ふわふわの猫耳を付けさせ、踊らせた。

黒川浩二は椅子に寄りかかり、深い瞳には溶け合うほどの濃密な想いが宿り、まるで溶岩のように彼女を溶かしそうだった。

坂本加奈は恥ずかしさと不安を感じながら一曲踊り終えると、彼に抱き寄せられ、男性の強引なキスを受けた。

彼女は息苦しさを感じながら、小さな手で彼の服をきつく掴み、頬は耳の後ろまで真っ赤に染まっていた。