第426章:元凶

外は寒かったので、黒川浩二は坂本加奈を寒い目に遭わせたくなかったため、執事に客間へ案内するよう頼んだ。

自分も坂本加奈と一緒に客間へ向かい、一体誰が来たのか確認しようとした。

黒いダウンジャケットを着て、落ち着かない様子の林翔平を見た時、坂本加奈は呆然とした。

林翔平は彼女の方を向くと、ぎこちなく失礼な笑みを浮かべた。「加奈、久しぶり」

「久しぶり」坂本加奈はすぐに我に返り、さっぱりとした態度で挨拶した。「どうぞ座ってください」

時は流れ、内村里美にしても林波留にしても、相応の報いを受けた。林翔平は彼女にとって最も馴染みのある他人となっていた。

林翔平は数千万円もする本革のソファを見て、手を振った。「いや、座らないでおくよ。君が子供を産んだと聞いて、ちょうど用事で戻ってきたところだったから、お祝いに来ただけだ」