1日目の授業―変人たち

何年も前、M国の学生たちがA国に修学旅行に来ていた。クリスティーンは、その学生グループの中で目立つ男性を見かけ、一緒にいた先輩に頼んでその男性の写真を撮ってもらった。紹介の際に名前が呼ばれた時、彼女はその名前を聞き取った。後に現像した写真と、聞いた名前の一部は、彼女の心に深く刻み込まれた。

彼女が歌手になった最も重要な理由は、M国に行って一流の芸能事務所に所属し、憧れの男性の近くにいるためだった。しかし、ジェスリンがそれを台無しにしたのだ!

「ジェスリン、死にたいようね。喜んで送り出してあげるわ」彼女は携帯を取り出し、マネージャーに電話をかけた。

「手に入る大きな仕事は全部取ってきて。やり方は問わないわ。来年までにAリスターになりたいの。それと、講師も探して。セレスティーヌ・シュアンはダメだったから、彼女と同じランクの別のトップスターを探して。それもダメなら、今やってることを続けるしかないわ。でも、アーティストは変えたい。あの役立たずの女は怠けてるわ。もう要らないから、私のことをバラさないように始末してちょうだい」

クリスティーンは携帯を置くと、マーベリックの写真に注目した。ジェスリンが結婚した男とは少しだけ似ているところがあった。葬式で見た時はその男が誰なのか気にも留めなかった。まさか、自分のマーベリックがすぐ目の前にいたのに、そのまま行かせてしまったなんて!

「ジェスリン...あなたを誰だか分からないくらいにぶっ潰してやるわ!」

一方、話題に上がっていたジェスリンは、ステージに楽器が置かれた大きなホールに座っていた。彼女の前にはノートパソコンが置かれ、横にはノート、隣の席にはバックパックが置かれていた。

すぐに一人の少年が入ってきた。分厚い眼鏡をかけ、髪は少し乱れていた。片手にノートを持ち、右肩にバックパックを掛けていた。少年は不器用な様子でジェスリンの隣の最前列の席に座った。

ジェスリンは、怯えて不器用そうな彼の様子に笑いそうになったが、オタクっぽい少年を驚かせないように笑いを抑えた。

彼女は視線をノートパソコンに戻し、作業を続けた。

「あ、あの、僕はルーベンスタインです。ルーベンスタイン・イェです」