カラオケ

放課後、ロリータは建物を出るジェスリンに近づいた。

「ローズ、どうしたの?最近機嫌悪いみたいだけど」

「何でもないわ、大丈夫」

「い、いや、そうは思えないけど」ルーベンスタインは眼鏡を直しながら反論した。

「オタクでもわかるぐらいよ」ロリータはニヤリと笑った。

何か言いかけたルーベンは黙ったままだった。彼は彼女のいじめに慣れてしまい、もう抗議もしなくなっていた。この数ヶ月一緒に過ごすうちに、三人はクラスメイトというより友達と呼べるほど互いを理解するようになっていた。

「気分転換に新鮮な空気と感情を発散できる場所が必要だと思うわ。このまま抑え込んでたら爆発しちゃうわよ」ロリータが提案した。

「そ、それはいい考えだと思います。今日は金曜日だし」ルーベンは頷きながら同意した。

「いい場所知ってる?」ジェスリンが尋ねた。

「クラブはどう?」ロリータは目を輝かせた。他の二人が人殺しでも見るような目で見つめるのを見て、別の提案をした。「バー?...ダメ?...マッサージ店は?...エステは?...ダメ?...」

「も、もういい。カラオケでいいじゃないか」ルーベンが割り込んだ。

「うん、ルーベンの案でいきましょう」ジェスリンも賛成した。

「まあそうよね、四眼だから頭がいいはずだもの」ロリータは不満そうに唇を尖らせた。ルーベンは何でも彼女より上手くやってしまう。彼女が提案するたびに、ルーベンがそれを台無しにする。今回も明らかに彼女がアイデアを出したのに、ルーベンが救世主のように持ち上げられている。なぜか、彼女はこのルーベンという男が好きになれなかった。変な感じがするのだが、それは友達ではないという意味ではない。

ジェスリンはロリータが拗ねているのを見て、頭を叩いた。「子供みたいね」

「私は22歳、あの人は28歳、あなたは26歳だから、そう、私は赤ちゃんよ」

「うーん...そう言われると、子供たちが支配している音楽の世界で、ルーベンと私は年を取りすぎているような気がしてくるわね」ジェスリンは淡々と言った。