ジェイシー

広い敷地内の全員が驚愕した。さらに不可解だったのは、救助隊がピンクの味方をしているように見えたことだった。

戦闘が続く中、車の一台のドアが開き、コード2が姿を現した。

「コード2?」ピンクは信じられない様子で呼びかけた。

「主人が私たちを送ってきた」彼は無関心そうに答え、戦闘に加わった。

ピンクは軽く微笑んでからイエローに言った。「車で休んでいなさい。もう一人で戦うわけじゃないから」

今回イエローは反論せず、うなずいて車へ走り出した。ピンクは彼女の背後を守った。

敵は尽きることを知らなかった。倒せば倒すほど、どこからともなく新手が現れた。

この屋敷は都市の外れ、人里離れた場所に建てられ、鬱蒼とした木々に囲まれていた。この場所はハーフハート組織によって、ピンクを殺すか拉致するために選ばれたようだった。

次々と戦闘に加わる敵がいたものの、コード2と彼が連れてきた数十人の部下のおかげで、30分もしないうちに、敵の死体が敷地内に散乱していた。

ピンクは銃を手に、先ほどの激しい戦いの証人となった白い家に向かって堂々と歩を進めた。

玄関に着くと、ピンクはドアノブをしっかりと握った。深く息を吸い込んでからノブを回し、少しだけドアを開けた。

小さな隙間から漂ってきた媚薬の匂いに、彼女の目が少し見開かれた。

ドアを勢いよく閉め、背後で不思議そうに見つめる二人の男に振り向いた。

「ここで待機。何があっても入ってこないで」彼女は命令した。

「それは従うには高すぎる要求だ」コード2が返答した。

「先輩として命令よ!」ピンクは彼に向かって吠えた。

コード2はもう何も言わず、彼女が彼の胸ポケットからハンカチを取り出し、鼻を覆うのを見守った。

ピンクは彼らに最後にもう一度目をやってから部屋に入った。

赤いろうそくが灯る薄暗い部屋に入るなり、ピンクは眉をひそめた。媚薬は燃えている7本のろうそくの中にあり、すぐに消さなければならない!と彼女は考えた。

ろうそくに向かって歩き出そうとした時、男たちの心を揺さぶり、欲望を掻き立てるような声が耳に届いた。

「こんにちは、アレックス。まさか会えるとは」

驚いて、アレックスは銃を向けながら横を向いた。入室時には応接室に誰もいなかったため、他の何よりもまず媚薬を処理しようと考えていたのだ。