紙の上には歌があり、歌詞と曲が書かれていて、『寂黙』という名前でした。
沢井千恵は音楽がわからず、曲の良し悪しが判断できませんでした。彼女は驚いて沢井恭子に尋ねました。「橘さん、これはあなたが作ったの?」
沢井恭子は「……うん」と答えました。
沢井千恵は急に興奮しました。「小さい頃に楽器を習わせて正解だったわ。音楽の才能がないって言われていたのに、今では自分で曲が作れるようになったなんて!」
彼女はその曲を見つめながら言いました。「橘さん、これはあなたが作った曲だから、どんなことがあっても誰かに歌ってもらうわ。安心して!」
沢井恭子は頷いて、冷静に言いました。「この曲は小谷千秋に渡せます。」
沢井千恵:?
人生初の曲を、いきなり天后様に歌わせるつもり?
芸能界のルールをよく知らなくても、先ほどの景山誠の言葉から、小谷千秋は良い曲がなければ2年間も新曲を出さないような人だということがわかります。そんな人が適当な曲を歌うはずがありません。