第71章 治療

五十嵐奥さんは驚いて「どんな名医?」と尋ねた。

五十嵐正則は眉を上げて「知らないんですか?海浜市には景山神医という方がいて、正体は謎めいていますが、どんな難病も治せるそうです。ただし、めったに診察はしないらしいですが……」

五十嵐奥さんは焦って「その人はどこにいるの?私たちのために探してもらえない?」

五十嵐正則は「そんな腕利きの人は、きっと身を隠しているでしょう。情報を提供することしかできませんが、まだ見つかっていません。佐藤家と沢井家に協力してもらったらどうですか?」

そう言った後、五十嵐正則は笑って「佐藤家の協力だけで十分でしょう。沢井家に海浜市でどんな人脈があるというのですか……」

五十嵐奥さんは佐藤さんの方を見た。

佐藤さんは仕方なく口を開いた。「確かにそういう人がいます。2年前、ある人が内出血で死にかけていたのを、死の淵から救い出したそうです。佐藤家で探してみることはできますが、その人があまりにも謎めいているので、見つけられるかどうかわかりません。」