第116章 最後の一回

白井桜子は近づいて、ドアの隙間から中を覗いてみると……

二人が抱き合っていた……

キスをしていた……

遠くから見ると、白い肌が一面に広がっていた……

部屋が揺れているようで、数万元のオーダーメイドベッドまでが旗を振って応援しているかのようだった……

そしてその二人は、山崎夏枝と、もう一人は彼女がよく知っている山崎武弘だった。

白井桜子は必死に自分の唇を押さえた。

目の前の状況を信じられない様子で見つめ、頭の中が真っ白になり、まるで晴天の霹靂が脳裏に炸裂したかのようだった。

どうして……まさか!

全身が震え、突っ込んでいくべきか、逃げ出して見なかったことにすべきか、一瞬分からなくなった。

山崎夏枝と山崎武弘は血のつながりはないものの、再婚家庭で、法律上は兄妹だった!普段から仲が良かったが、白井桜子はそんな方向に考えたことすらなかった。