沢井恭子の肩に、傷跡が見えた。
その傷跡は恐ろしい形をしており、火傷のように見えた。
彼は眉をひそめた。「これは?」
「ああ」沢井恭子は気にせずに服を上げた。「子供の頃、うっかり火傷をしたの」
子供の頃……
佐藤大輝は顎を引き締めた。
彼の表情が良くないのを見て、沢井恭子は不機嫌そうに言った。「醜い?」
まさかこの男が気に入らないとでも?
彼女は彼が自分のことを覚えていないことさえ気にしていないのに?
考えている間に、男は首を振った。「そうじゃない」
そして考えすぎだと思った。五一八号室の肩には蝶のタトゥーがあり、しかも彼女の肩の傷跡よりもずっと大きく見えた。
もしタトゥーを消した跡の傷跡なら、当時のタトゥーよりも大きくなるはずで、小さくなることはない……
一体何を考えているんだ……