第210章 お前に愛を語る資格はない

彼女のためにここの麻辣湯を食べに来たの?

その「彼女」って、彼のこと?それとも彼女のこと?

五一八号室のこと?

……まさか。

この男は組織にいた頃から、五一八号室と対立していて、二人は組織のトップの座を争っていた。彼は敗北した後、不満を抱えたまま爆発を仕掛け、五一八号室を殺して、彼女の地位を奪った。

今でも、五一八号室に似た女たちを集めて、毎日別荘で好き勝手に暴力を振るい、五一八号室を侮辱している……

でも五一八号室以外に、彼は国内に他に友達がいるのだろうか?

鷹野隆は佐藤大輝の言葉に答えず、黙って食べ始めた。

激辛の麻辣湯を一杯食べ終わると、額に汗が浮かんでいた。箸を置き、口を拭うと、佐藤大輝の麻辣湯が手付かずなのを見て、嘲笑うように言った。「そうだな、お坊ちゃまは、私や五一八号室みたいな野良犬とは違って、こんなものは食べないよな……」