白井隆司はすでに数カ所の撮影現場を回り、写真の人物を見かけたことがあるか尋ねていた。
しかし、それらの撮影現場のスタッフは誰も知らず、首を振るばかりだった。
白井隆司は歩き回っているうちに、沢井恭子がいる撮影現場にたどり着いた。
入り口で警備員に止められた。
白井隆司はまずタバコを一本取り出して警備員に渡し、さらに数言葉を交わして親しくなった。
彼の話し方は巧みで、わずか数言で警備員の心をつかんだ。
最後に、警備員は小声で言った。「中に入りたいなら、一緒に案内してあげられますよ。でも、面倒は起こさないでくださいよ!」
白井隆司は逆に口を開いた。「人を探しているんです。兄貴、うちの撮影現場にこんな顔の人がいるか見てもらえませんか?」
彼は写真を取り出し、警備員に渡した。