第419章 理由

矢野先生は向井の母と井上英子を連れて403号室に向かったが、近づく前に人に止められた。

中島誠司と佐藤大輝が連れてきたボディーガードが病室の外に立ち、宮本信司に二次被害が及ばないよう人々の侵入を防いでいた。これは沢井恭子の指示だった。

そのため、数人を見かけると、叱るように尋ねた。「何の用だ?」

向井の母は目を輝かせた。

この様子を見ると、中にいるのは確かに沢井さんだ!

井上家は京都四大名家の一つではあるが、白井家と同様、比較的弱い家系に属していた。理屈では弱くても、四大名家の一つであることには変わりない。

しかし白井隆司と違うのは、隆司は嫡流で、まだ分家していない。彼は白井家の嫡孫だった。

井上英子の家族はすでに本家から分家していた。

現在、井上家の当主は英子の伯父で、祖父が亡くなった後、彼らは分家し、英子一家の生活水準は急激に下がった。