江口沙央梨が質問している間、原詩織はクラス全員が自分を見ているように感じた。
それで原詩織はますます口を開くのが難しくなった。
しばらく躊躇した後、原詩織は江口沙央梨に言った。「沙央梨さん、今ちょっと気分が悪いので、保健室に行ってきたいんです。」
原詩織は質問を避け、すぐに教室の外へ向かって歩き出した。
彼女には認めることも否定することもできず、とりあえず言い訳をして離れるしかなかった。
教室を出た原詩織は、頭の中が混乱していた。
ちょうどそのとき、メッセージを見た秋田緑が原詩織を探しに来た。
「詩織、大丈夫?掲示板の件はどういう状況なの?」秋田緑は切迫した表情で尋ねた。
原詩織は首を振り、落ち込んだ様子で、この件についてどう話せばいいのか分からなかった。
「まあ、とりあえず場所を変えて話そう。」