第128章 暴かれた身の上(1)

江口沙央梨が質問している間、原詩織はクラス全員が自分を見ているように感じた。

それで原詩織はますます口を開くのが難しくなった。

しばらく躊躇した後、原詩織は江口沙央梨に言った。「沙央梨さん、今ちょっと気分が悪いので、保健室に行ってきたいんです。」

原詩織は質問を避け、すぐに教室の外へ向かって歩き出した。

彼女には認めることも否定することもできず、とりあえず言い訳をして離れるしかなかった。

教室を出た原詩織は、頭の中が混乱していた。

ちょうどそのとき、メッセージを見た秋田緑が原詩織を探しに来た。

「詩織、大丈夫?掲示板の件はどういう状況なの?」秋田緑は切迫した表情で尋ねた。

原詩織は首を振り、落ち込んだ様子で、この件についてどう話せばいいのか分からなかった。

「まあ、とりあえず場所を変えて話そう。」