第133章 長兄佐藤明人(1)

ドアの前に現れた男性は背が高く、長い脚を持ち、髪は灰白色に染められ、片耳にダイヤモンドのピアスをつけていた。

男性は色白で整った顔立ちで、目元に笑みを浮かべ、薄い唇が魅惑的に上がっていた。

ポスターの通り、非常に魅力的なイケメンだった。

佐藤明人はドア枠に寄りかかり、佐藤和音に呼びかけた。「泣き虫さん」

佐藤明人の声も魅力的で、ネットで言う「耳が妊娠する」ような声だった。

佐藤和音は佐藤明人を見つめ、なぜそう呼ばれたのか分からなかった。

「抱っこすると泣く、からかうと泣く、お前って本当に泣き虫だよな?」と佐藤明人は言った。

佐藤明人と佐藤和音は長い間会っていなかった。

佐藤明人は佐藤和音より11歳年上で、和音がまだ幼かった頃、抱っこすると泣き、からかうと泣いた。

隼人のガキは何をされても笑っているのに。