第135章 動画を見つけた

佐藤おばあさんは状況を見て無言で溜息をつき、これほど長い年月が経っても、明人は相変わらず和音のことを好きになれないのだと思った。

佐藤おばあさんには、子供の頃の佐藤明人と佐藤和音は「相性が悪い」タイプだったという記憶がある。

なぜかわからないが、佐藤和音は佐藤明人の前ではいつも泣いていた。

佐藤明人も佐藤和音を避けるのに必死だった。

二人は特に揉め事を起こしたわけでもなく、ただ合わないだけで、おばあさんは「相性が悪い」以外の説明が思いつかなかった。

今では二人とも大人になったのに、会えば相変わらず合わない。

明人ったら、妹のことが好きじゃないにしても、妹の子供の頃の事を持ち出して恥をかかせることはないでしょう。おりこは今や大人の女性なのだから、面子もあるのよ!

佐藤おばあさんの責めるような眼差しを受け、佐藤明人は自分が何を言い間違えたのかわからなかった。

ただ妹と話をしたかっただけなのに……

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山田燕は家のインターネットがどうしたのかわからなかったが、突然使えなくなってしまった。

そこで彼女は修理の人を呼ぶために電話をかけた。

修理の人はすぐに来て、しかも一度に三人も来た。

修理の人たちは彼女の家の内外を素早く点検した。

外の回線も、家の中の機器も、すべて見落とすことなく確認した。

修理は一時間以上かかってようやく終わった。

山田燕はこういった事にはあまり詳しくなく、最後に直ったので特に何も言わず、修理代を払って帰してやった。

修理の人たちは山田燕の家を出るとすぐに、一台のワゴン車に乗り込んだ。

そして「ファズル先生」という名前で登録された人物にメッセージを送った:

【動画は見つかりました。コピーを取って、今送ります。】

今日の山田燕の家のネットワークの故障は彼らが意図的に仕組んだもので、まず山田燕の家のネットケーブルを見つけて、妨害処理をした。

そして山田燕に修理の電話をかけさせ、彼らは電話を傍受して修理業者を装って訪問した。

問題を探すふりをして、山田燕がメモリーカードを隠している場所を探した。

彼らは専門の探知機器も持参していた。

訪問した三人のうち、一人はコンピューターの専門家で、一人は心理学の専門家、もう一人は錠前開けの専門家だった。