第188章 この簡一凌に会いたい

しかし、目の前の答案用紙の点数は、予想外に高かった。

満点は100点で、この答案用紙は98点を取得していた。

減点された2点は、ある記号の誤りによるものだった。

そしてこの記号の誤りも不注意によるものではなく、以前の書き方であり、国際的なルールが2年前に変更されたばかりだった。

つまり、理論的には、この競技の答案用紙は、この人物が全問正解できたということだ。

これは珍しいことだった。

「社長、今、学生たちから異議が出ています。この学生の成績に誤りがあるのではないかと。」助手が傍らで尋ねた。

再審査の申請があったため、機構の人々も無視するわけにはいかず、規則に従って確認する必要があった。

「もう確認することなんてないだろう。答案用紙はここにあるし、昨夜から何度も何度も確認してきたんだ。」

成績発表前から、責任者はこの答案用紙を何度も確認していた。

問題作成者は彼と機構の数人の学者で、誰も事前に問題を漏らすことはあり得なかった。

外部の人間が試験内容を事前に知ることは不可能だった。

そして、彼らの試験会場は非常に厳重な検査を受けており、会場には全方位の監視装置があり、機構の職員が監督していた。

試験で不正行為が行われることは不可能だった。

この受験生が正解できたのは、彼女自身の実力によるものとしか考えられなかった。

だから彼は今、この競技で一位を取った人物が一体どんな人物なのか知りたくてたまらなかった!

「では、成績に何の問題もないと彼らに回答してきます。」助手が尋ねた。

「待って、学校に行って、その生徒に直接会ってみたい。彼女のことが気になるんだ。」

表彰式はまだ2日後だったが、責任者はもう既にこの受験生本人に会いたくて待ちきれなかった。

即決で、責任者は部下の何人かを連れて直接栄光高校へ向かった。

栄光高校の教務主任室で、教務主任は今、パソコンの画面を見つめて何度も確認していた。

間違いなく、一位の名前は確かに佐藤和音と書かれていた。

なぜ佐藤和音なのだろう?

どう考えても佐藤和音のはずがない。

教務主任には理解できなかった。

もしかして主催者側が成績を記録する際に間違えたのだろうか?

その可能性もないわけではない。