中間テストの成績が次々と発表された。
一日のうちに、大井心は連続して挫折を味わい、心身ともに疲れ果て、「すべてが灰色に」なった。
「なんで私、またまたまたまた不合格なの?一番ひどいのは化学が59点だってこと!59点よ!化学の先生は記述問題でせめて1点くらい慰めの点をくれてもよかったのに?あと1点で合格だったのに!」
テストの不合格より更に崩壊的なのは、1点差での不合格!
悲しみに暮れる大井心は佐藤和音の化学のテスト用紙を見て、そこには鮮やかな三つの数字が。
100.
百点、満点!
大井心はその場で呆然となった。
佐藤和音のテスト用紙を手に取り、前後を何度も確認した。
本当に満点で、1点も引かれておらず、最後の問題まですべて正解だった。
今回の化学テストの最後の問題は、難易度が高く、範囲外の内容だった。