第283章 佐藤和音の落ちこぼれ逆転劇

中間テストの成績が次々と発表された。

一日のうちに、大井心は連続して挫折を味わい、心身ともに疲れ果て、「すべてが灰色に」なった。

「なんで私、またまたまたまた不合格なの?一番ひどいのは化学が59点だってこと!59点よ!化学の先生は記述問題でせめて1点くらい慰めの点をくれてもよかったのに?あと1点で合格だったのに!」

テストの不合格より更に崩壊的なのは、1点差での不合格!

悲しみに暮れる大井心は佐藤和音の化学のテスト用紙を見て、そこには鮮やかな三つの数字が。

100.

百点、満点!

大井心はその場で呆然となった。

佐藤和音のテスト用紙を手に取り、前後を何度も確認した。

本当に満点で、1点も引かれておらず、最後の問題まですべて正解だった。

今回の化学テストの最後の問題は、難易度が高く、範囲外の内容だった。

テスト直後は悲鳴が上がり、みんな解けなかったと言い、学級委員の山崎彩花さえも暗い表情で解けなかったと言っていた。

確認し終わった後、大井心は涙が出そうになった。その気持ちは悲しくもあり、安堵でもあった。

悲しいのは:一緒に頑張ろうと約束したのに、あなたはこっそり学業優秀者になって、私一人を落ちこぼれの中で苦しませるなんて。

安堵したのは:和音が満点を取って、すごく素晴らしい、すごくスッキリする。証拠もないのに和音がカンニングしたと疑う人たち、特にあの変な言い方をする奥村茂を黙らせることができた!

「和音、あなたは今私の二番目のアイドルよ」大井心はこの位置を佐藤和音に与えた。

一番の位置はまだ奥野実里のものだった。

その後、他の科目のテスト用紙も次々と返却された。

数学、物理、英語、佐藤和音の各科目の成績は人々を驚愕させるほど素晴らしかった。

満点、満点、すべて満点。

大井心はほとんど跪いて佐藤和音のテスト用紙を見ていた。

最後の緊張感に満ちた国語のテスト用紙も返却された。

前回の経験から、大井心は好奇心いっぱいで佐藤和音の読解問題を覗き見た。

そして彼女は大きな丸を見た。

零点、佐藤和音の読解問題は、また一度点数を全部失っていた。

いつもの味、いつものパターン。

和音の読解問題は、相変わらず人々を驚かせ、他の科目の成績とまったく不釣り合いだった!

しかし今回の佐藤和音の国語の総合点はかなり良かった。