第381章 知能の勝負（3）

佐藤和音は彼女のことをあまり気にしていなかった。

彼女が去ったのを見て、宝箱に向かって歩き出し、問題に提供されているすべての資料を確認した。

そして素早くパスワードを入力し、箱を開けた。

所要時間：75秒。

これはネットユーザーが正確に計測した時間で、誤差は3秒以内だった。

佐藤和音が問題を見始めてから箱を開けるまで、合計でたった75秒しかかからなかった。

先ほどの原詩織が箱の前で30分近くもためらっていたのと比べると、この75秒という時間は信じられないほど速かった。

観客は呆然としていた。比較すると痛いほどの差があった！

昨日から佐藤和音の知能の高さを感じていたが、今日の原詩織との比較でより一層際立った！

佐藤明人のファンたちは大喜びだった：

【すごい、これは速すぎでしょう？明人さんの妹さん、頭がコンピューターなの？】

【ははは、なぜか笑いたくなってしまう。】

【明人さんの妹さんすごすぎない？原詩織がこんなに長い時間かかってもできなかったのに、明人さんの妹さんはあっという間に解いちゃった。本当にすごすぎる。】

【事実が証明している。ある人の高い知能は偶然かもしれないけど、私たちの明人さんの妹さんの高い知能は事実。昨日の箱開けの時にもう証明済みよ。】

【ははは、某ファンの皆さん、説明してください。箱開けなら自分たちのアイドルもできるって言ってたじゃないですか？】

原詩織のファンは以前、佐藤明人の妹はたいしたことないし、詩織にもできると断言していた。

今では佐藤明人のファンに完全にやり込められていた。

ファンたちは引き続き原詩織を擁護した：

【推理問題が解けるだけじゃない。私たちの詩織は演技も歌も上手で多才なの。探偵試験じゃないんだから、そんなに強い推理力なんて必要ないでしょ？】

【そう、優しくて才能豊かな詩織を守りましょう。私たちは他人の認めなんて必要ない。私たちが守っていれば十分。】

【高い知能が何？無表情で冷たくて、付き合いにくそう。そんな人と付き合うなんて考えただけで疲れる。私たちの詩織とは比べものにならない。】

【そうよ、歌で勝負してみなさいよ。私たちの詩織は歌声が素敵。ある人みたいに音痴じゃない。】

知能では勝てなくても、他にもある。原詩織の長所はたくさんあるのだから、推理問題一つで負けを認める理由はない。