第408章 試合の場で勝負を決める

佐藤隼人は急いで上杉望を引き止めた。「冷静に、冷静に、衝動的に人を殴ったら失格になるぞ」

本当に手を出して人を殴って失格になったら、それこそ得るものより失うものの方が大きい。

上杉望は怒りに任せていて、佐藤隼人の説得は耳に入らず、まだ人を殴りたいという構えだった。

佐藤和音が一歩前に出て、上杉望の前に立ちはだかり、彼の行動を阻止した。

同時に、冷静かつ厳しい声で目の前の【波乗り亭】のメンバーに言った。

「試合の場で勝負しよう。負けた方が、公の場で謝罪して頭を下げる」

この言葉には問題ないが、言っている人が...

全く迫力がない!

あの甘えた声では、誰が怖がるだろうか?

笑い出す人さえいた。

菊地秋次は目を細め、前に進み出て佐藤和音の隣に立ち、鋭い眼差しで軽蔑の色を浮かべた。