第415章 山田燕の資産が担保に入れられる(2)

「一体どうしたの?電話しても出ないし、ドアをノックしても応答しないし!」山田燕は怒りながら佐藤浩人に詰問した。

「将棋を指している時は邪魔されたくない」佐藤浩人は答えた。

「あなた...私はあなたの母親よ!」

「何か用?」佐藤浩人は冷淡に尋ねた。

視線は依然として将棋盤に向けられたまま、細長い人差し指と中指で黒い駒を摘み、打とうとしていた。

佐藤浩人のこのような冷たい態度に、山田燕の怒りは胸に詰まって、吐き出すことも飲み込むこともできなかった。

「浩人、お母さんが聞くけど、私の全財産を損する可能性が高い映画に投資するってどういうこと?それに、なぜ原詩織をこの映画の主役に選んだの?」

「彼女はあなたが気に入った人だ」佐藤浩人は答えた。

「あなた...私...私がいつ彼女を評価したって言ったの?」