千葉家がロカイゼン総合病院に連絡を取ろうとしていたのは、千葉優花だけではなく、彼女の父親である千葉家の現当主、千葉グループの会長兼社長の千葉紘もいた。
千葉紘と千葉佳津は実の親子で、容姿は六、七割ほど似ていた。
千葉紘は年老いた版の千葉佳津のように見える。
今でも風格があるので、若い頃はどれほど颯爽とした青年だったかが想像できる。
彼のいとこの一人で、千葉家の中で大きな影響力を持つ取締役が病気になり、今すぐ治療が必要だった。
彼はすでに宣言していた。誰であれ、彼の病気を治せるなら、自分の持つ千葉家の株式全てと交換してもいいと。
この株式を千葉紘はもちろん欲しかった。もし他人の手に渡れば、千葉紘にとっても千葉グループ全体にとっても、間違いなく大きな脅威となる。
そのため彼はロカイゼン総合病院と連絡を取り、協定を結んでこの株式を手に入れたいと考えていた。