第476章 大切な人ができた、生きたいと思うようになった

医者は彼に定期検査をしても、彼は結果を尋ねることはなかった。

一日一日を過ごすだけ。

どうせこんなものだ、生まれた時からこうだったし、もう慣れていた。

ただ今は、彼には生きていたい理由ができた。

彼には守りたい人ができた。

彼はあの小娘に悲しい時どうするか、怒った時どうするかを教えなければならない。

菊地秋次は想像できなかった、もし彼女にそれを教えた後で、自分がいなくなったら、残された彼女がどれほど悲しむだろうか……

彼は無限に彼女に近づいた後で、彼女をひとりぼっちにして置き去りにすることはできない。

彼は生きなければならない。

菊地おじいさんの表情も沈んでいった、これは孫が初めてこのように彼の体調について話したことだった。

菊地おじいさんは隣の中国風の木製ソファに座った。