白川昼は言葉を聞いて美しい顔を赤らめ、興味津々な表情の馬場絵里菜を一瞥してから、小声で答えた。「私は不肖ながら、捨仙十二衛の中で十一番目です」
えぇ……
馬場絵里菜は瞬きをして、どんな表情をすればいいのか分からなかった。
この白川昼は端正な容姿で、気品のある雰囲気を持っているから、てっきり捨仙十二衛の中でも優れた存在だと思っていたのに、まさか下から二番目とは。
気まずい雰囲気を避けるため、馬場絵里菜は自然な表情で頷き、淡々とした口調で言った。「あなたも言ったように、十二衛は皆実力者ばかり。現代社会でも一目置かれる存在で、並の人には及ばないものね」
「はぁ……」白川昼は軽く咳払いをして、自ら正直に打ち明けた。「門主に隠し立てはできません。私は十一位ですが、実力は十二人の中で最も弱いのです……」
はぁ?
馬場絵里菜は表情を固まらせ、頭の中が混乱した。
「十二位よりも弱いの?」馬場絵里菜は遠慮なく尋ねた。
「十二は……」白川昼は意味深な苦笑いを浮かべ、馬場絵里菜に向かって言った。「門主はいずれ十二に会うことになります。その時が分かるでしょう」
ふん、なんだか神秘的ね。
馬場絵里菜は腕を組んでソファに寄りかかり、白川昼を見つめた。今や彼女は安心して、緊張も解けていた。相手の自分に対する敬意が偽りではないと感じられたからだ。
今は自分の門主としての立場と、彼の言う捨仙十二衛について明らかにしなければならない。
「あなたの言う召喚というのは、私の胸の紋章のことですよね。あなたと私にあるなら、他の人たちにもあるはず。なのになぜあなただけが来たの?」馬場絵里菜は尋ねた。
「門主はご存じないかもしれませんが、捨仙門は千年の歴史を経て、今や世界中の門衆は百人にも満たないでしょう。これらの人々は普段何の接点もなく、一般人と変わらない生活を送っています。
そして捨仙門の門衆を感知できる唯一の方法が、予知者の能力です。古来より、捨仙門には一人の予知者しかおらず、今、あなたの目の前にいる私こそが、現在の捨仙門唯一の予知者なのです」白川昼は説明した。
馬場絵里菜は話を聞いて軽く頷いた。白川昼の言葉の意味が分かったようだった。