第103章:席替えをしたい

「えっ?本当なの?」馬場依子は驚きの表情を浮かべ、思わず両腕をさすりながら、鳥肌が立ってきた。

鈴木由美は真剣な表情で頷いた。「もちろん本当よ。みんな知ってることだから」

他の女子たちも急いで頷いて同意した。「そうよ依子、私たちみんな知ってるわ」

「基本的に高校1年生は皆、馬場絵里菜のお母さんがキャバクラで働いてることを知ってるわ」

「確かパラダイスっていう有名なキャバクラよね」

馬場依子は信じられない様子で瞬きをし、小声で呟いた。「でも、絵里菜さんの年齢から考えると、お母さんは30代のはずよね。その年齢でキャバクラでそんな仕事ができるの?」

「ふふ、依子は純粋すぎるわ」鈴木由美は経験者のような態度で馬場依子に言った。「私、そういうキャバクラに何回か行ったことあるけど、中にいる女性はいろんなタイプがいるのよ。30代どころか、40代もいるわよ」

鈴木由美が今話していることは、特に馬場依子を誘導しようとしているわけではなく、彼女の心の中では、馬場絵里菜の母親はそういう人で、馬場絵里菜の家族は貧しくて汚いものだと思い込んでいた。そういう考えは既に鈴木由美の脳裏に刻み込まれていた。

「まさか、こんなことだったなんて」馬場依子は信じられない情報を受け取ったかのように、衝撃を受けた表情で呟いた。「絵里菜さんは肌が白くてきれいで、勉強もできるし、私と同じ苗字だから、友達になりたいと思ってたのに」

「人を見るのに表面だけ見ちゃダメでしょ?今なら私が何で彼女のことが嫌いなのか分かるでしょう。あなたも彼女から離れた方がいいわ」鈴木由美は馬場依子に注意を促した。

馬場依子は呆然と頷き、まるで恐怖を感じたかのようだった。

午後いっぱい、馬場依子はこのことが気になって落ち着かず、授業中も本能的に端の方に座り、まるで馬場絵里菜が何か病気を持っているかのように振る舞っていた。

馬場絵里菜はあまり気にしていなかった。彼女はもともと馬場依子に対して特別な考えを持っておらず、午後はずっと会社のことを考えていた。

白川昼は仕事の効率が良く、コネも多いので、きっとすぐに人材を見つけて会社の内部構造を充実させることができるだろう。そのため馬場絵里菜は今、最初のプロジェクトをどこから始めるべきか考えていた。