第213章:突然の妨害者

その声は大きすぎず小さすぎず、ちょうど全員に聞こえる程度だった。

鈴木由美は群衆の中から前に出て、冷たい目で馬場依子を見つめ、顔には少し喜びの色が浮かんでいた。そしてもう一度繰り返して言った。「あなたが私に林駆があなたのことを好きだと言ったのも、嘘だったの?」

傍らにいた林駆は鈴木由美の言葉を聞いて眉をひそめ、馬場依子を見上げた。その目には明らかな意味が込められており、怒りの色が見えた。

周りの人々も私語を始めた。

「あの子が可哀想そうに林駆のために弁明するのを見て、私はもう少しで信じるところだった。」

「裏で、そんなことを言っていたなんて。鈴木由美が林駆のことを好きなのは誰でも知っているのに!」

「それに鈴木由美と馬場依子は幼なじみの親友だったはずよ。」

「えっ?親友が林駆のことを好きだと知っていながら、そんな嘘をつくなんて、最低じゃない!」