第253章:ジョーカー!

「本当に女王だわ!」

「彼の勝ちみたいね!」

「こんな良い手なのに、なぜ自ら止めたの?もっと勝てたのに!」

「そうね、もったいない!」

全員が興奮した表情を浮かべ、中には惜しむような顔をする者もいた。まるでその女王の手札が自分のものであるかのように。

女王だけでなく、女王の中でも最強のエースが3枚だった。

しかし、驚きの声が上がる中、馬場絵里菜は終始無表情のままだった。

この反応に、周りの人々は彼女が呆然としているのだと思った。

井上裕人は馬場絵里菜を見つめながら言った。「エース3枚は、血戦到底で2番目に強い手だ。勝ちたいなら、3枚のジョーカーを揃えた鬼王しかない。でも1デッキにジョーカーは4枚しかなく、そのうち1枚は俺の手にある。残り3枚全部を手に入れるなんて、ほぼ不可能だ」