第459章：高橋桃の隠された才能

「普通のワンピースを作ろうと思ったんだけど、この色が少し重すぎて、普通のワンピースだと子供には似合わないから、少し豪華なイブニングドレスにして、チュールとスパンコールを付けたら、ドレスが軽やかに見えるようになったの」

五本の指を立てながら、高橋桃は馬場絵里菜に照れくさそうに舌を出した。「百円でスパンコールを一袋買っただけよ。でもこのドレスを作るのに丸一ヶ月かかったの！」

高橋桃は決して嘘をつく人ではなく、このドレスが彼女の作ったものでなければ、とても買える値段ではなかった。

その時、馬場絵里菜は先日、二人で学校の外の新聞売り場を通った時、高橋桃がファッション雑誌を見つめていて、結局自分がお金を出して彼女にプレゼントしたことを思い出した。

間違いなければ、あれはファッション雑誌だった。

当時は深く考えなかったが、今目の前の出来事と重なり合い、馬場絵里菜はようやく気付いた。桃はずっと前からファッションデザインに興味を持っていて、今では既にこんな完璧で高級なイブニングドレスを作れるようになっていたのだ。

心は感動で一杯だった。高橋桃にはお金がなく、他の人のように何千何万円もするプレゼントを気軽に用意することはできない。

でも彼女は一ヶ月もの時間をかけて、自分のためにこんな美しいドレスを手作りしてくれた。これは馬場絵里菜が今年もらった最高のプレゼントだった。

今はまだ学生で、このようなドレスを着る機会はあまりないかもしれない。以前白川昼が買ってくれた二着のイブニングドレスもまだクローゼットの箱の中に眠っているが、それでも馬場絵里菜の心の感動は変わらなかった。

彼女は高橋桃を見つめながら唇を噛んで微笑んだが、目は思わず赤くなっていた。「ありがとう桃、これが私の一番好きなプレゼントよ」

二人は幼い頃から一緒に育ち、お互いの友情は言うまでもない。高橋桃は頬を赤らめ、少し照れくさそうに笑いながら、忘れずに付け加えた。「着てみて、合わないところがあったら直してあげるわ」

「このドレスが一万円だって言われても、迷わず買うわ！」夏目沙耶香が傍らで言った。

「あなたの誕生日の時も、ドレスを作ってあげられるわ。あなたには明るい色が似合うから、純白とか、薄い黄色とか、薄いオレンジ色とか！」高橋桃が言った。