第461章:娘の名前は、絵里菜

食事の後、数人は赤ワインを1本飲んだだけで、お酒で顔が赤くなりやすい高橋桃が少し赤くなった以外は、他の人は全く異常がなかった。

馬場絵里菜はレジに向かい、ポケットから現金の束を取り出して、「すみません、お会計をお願いします」と言った。

言い終わると、馬場絵里菜は本能的に横を向き、そこに馬場長生が立っているのを見た。

そして彼の後ろには、無表情の馬場宝人がいた。

馬場宝人も馬場絵里菜を見かけ、一瞬驚いて目に色が浮かんだが、冷静を装って反応を見せず、ただ馬場絵里菜と視線を合わせるだけだった。

二人はマカオで何度か出会っており、その時この少年は馬場長生と一緒に現れていたので、彼が馬場長生の息子だと分かっていた。

しかし馬場宝人は馬場絵里菜が東京の人だとは知らなかった。

馬場絵里菜は彼に微笑みかけ、友好的な挨拶とした。