第495章：栄えるも共に、傷つくも共に

数人はその言葉を聞き、一斉に驚いた表情で月島涼を見つめた。

「やはり師匠の言う通りだ。月島は隠れた実力者だったんだな！」西野孝宏は目を輝かせながら、まるで宝物を発見したかのように月島涼を見つめた。

馬場絵里菜はその言葉を聞くなり、好奇心に満ちた表情で尋ねた。「師匠は以前、月島のことを話していたんですか？」

鈴木墨は頷いて答えた。「君たちが初めて武道場に来た時から、師匠は月島に基礎があり、その武術も侮れないと見抜いていたんだ。」

馬場絵里菜の先ほどの一蹴りには実は真気が込められていた。そうでなければ、彼女の力だけでは相手を蹴り飛ばすことはできず、むしろ自分の足を痛めていたはずだ。

この行動は明らかに他の人々を驚かせた。今、皆が馬場絵里菜のような素晴らしい武術が月島から教わったと聞き、さらに師匠の以前の言葉と合わせて考えると、月島が実力者であることを確信した。

月島涼は特に説明することもなく、ただ門主の嘘に合わせただけだった。そうでなければ、先ほどの出来事を説明する他の言い訳も思いつかなかっただろう。

「あなたたち二人、私たちを心配させすぎよ！」平野青は二人を見て笑いながら言った。「私たち、以前はあなたたち二人が武術を始めるには年齢的に遅すぎて、これからきっと大変だろうと心配していたのに。まさかあなたたち二人とも基礎があったなんて！」

「そうそう、しかも凄く強いんだ！小師妹のさっきの蹴りの威力といったら、大師兄くらいしか出せないよ！」柳澤勇気も同意して言った。

馬場絵里菜は十五歳の誕生日を迎えたばかりで、月島涼もまだ十四歳だった。二人とも未成年ではあるが、武術を学ぶには明らかに年齢が少し高すぎた。最適な年齢は五歳から八歳の間に基礎を築くべきだった。

古谷浩が十二歳で武道場に入門したのでさえ遅いと言われていたのに、まして彼女たち二人はなおさらだった。

馬場絵里菜は微笑んで返事はせず、先ほどの出来事を思い出して鈴木墨に向かって言った。「師兄、私、さっき衝動的すぎましたか？武道場に迷惑をかけてしまったかもしれません！」

鈴木墨はその言葉を聞くと、馬場絵里菜が自責の念に駆られることを恐れ、すぐに手を振って言った。「そんなことないよ。君の行動は正しかった。あんな連中には少し懲らしめが必要なんだ！」