この服やバッグはすべて細田登美子から贈られたもので、いずれも高価なものだった。細田芝子はイメージチェンジした後、全体的な雰囲気が一気に華やかになり、30代の大人の女性らしさが存分に表現されていた。
まさに着る物で人は見られ、馬は鞍で見られるというように、醜い女性などいない、怠惰な女性がいるだけだ。
細田登美子には及ばないものの、同年代の女性と比べると、細田芝子は今や群を抜いていた。
しかし今の細田芝子は周りの視線など気にする余裕もなく、ただ焦りの表情で尋ねた。「繁はどう?」
「まだ目を覚まさないけど、医者は大丈夫だと言っているよ」細田仲男は驚きの表情を収め、穏やかな口調で答えた。
以前の出来事以来、細田仲男というこの兄は二人の妹に対する態度が明らかに変化し始めていた。
ただ、お婆さんと鈴木夕の表情はあまり良くなかった。結局のところ、細田繁がこのように自暴自棄になったのは、家の件が原因ではないのか?
そのため二人は自然とこの件の過ちを細田登美子のせいにしていた。
細田登美子自身もそうで、この件について自分には全く非がないと心の中では分かっていても、完全に無関係だと切り離すことはできなかった。
病室は一時静まり返り、誰も口を開かず、人工呼吸器の「ピッ、ピッ」という音だけが響いていた。
しばらくして、お爺さんが口を開いた。「もういいだろう、みんな見舞いに来たんだし、明日は仕事があるんだから、ここで密集している必要はない。帰りなさい」
どうあれ、繁が無事でよかった。大勢の人が息だけして話さないのは、確かに居心地が悪かった。
お爺さんはそう言い終わると、長男に目配せすることも忘れなかった。まさに常に長男のことを考えているのだ。
細田仲男はそれを見て、すぐに意を汲んで立ち上がり、二人の妹を見た。「じゃあちょうどいい、送っていくよ」
病院を出ると、細田仲男は自ら細田登美子を慰めるように話しかけた。「この件は君には関係ない。繁自身の問題だから、気にする必要はないよ」
細田登美子は一瞬驚き、理解できない様子で細田仲男を見つめた。これまでの年月で、兄がこんなに優しく話しかけてきたことなどあっただろうか?
細田登美子の隠すことのない視線に少し居心地悪そうにした細田仲男は、思わず鼻を擦りながら説明した。「事実をありのままに言っているだけだよ」