第710章:新しいスクールプリンス

しかし馬場依子は馬場絵里菜の前で本当の自分をさらけ出したことがあるので、今さら取り繕うこともなかった。

言葉を聞いて、馬場依子は頷き、馬場絵里菜の目をまっすぐ見つめ、一矢報いるかのように口を開いた。「あなたが私を好きじゃないように、私もあなたのこと好きじゃないわ!」

「ふふ……」馬場絵里菜は今度は本当に笑い、馬場依子と同じように頷いた。「私たちは全く違う世界の人間よ。あなたが私を好きじゃないのは当然ね。」

そう言うと、馬場絵里菜は背を向けて歩き去った。

実は馬場絵里菜は嘘をついていなかった。馬場依子に対して、彼女はずっと好きではないという態度だった。

しかし嫌いかと言えば、そこまでではない。

彼女にとって、馬場依子はただのクラスメイトでしかなく、自分とほとんど接点のないクラスメイトを嫌うほどの余計なエネルギーはなかった。