馬場絵里菜の無言の表情が井上裕人の目に映った。彼が少し身を乗り出し、目元に笑みを浮かべながら馬場絵里菜を見つめ、静かに口を開いた。「ほら、僕たち二人は最高の組み合わせだと思わない?」
組み合わせってなによ!
馬場絵里菜はそのわさびを再び井上裕人の前に押し戻した。「自分で調味料を作ったなら自分で食べなさいよ。食べ物を無駄にしないで!」
井上裕人は口元に笑みを浮かべ、体を後ろに倒し、そのまま畳の上に横になった。
彼は今日、薄いグレーのトップスに濃紺のジーンズを履いていた。馬場絵里菜は以前、彼がスーツにシャツか、短パンにサンダルという姿しか見たことがなかったので、こんなカジュアルな格好は初めて見た。
むしろ見やすくなった。
井上裕人が横になってから動きがなくなったので、馬場絵里菜は思わず身を乗り出して彼を見た。