第750章:労働は人を幸せにする

バーベキューピクニックエリアもクラスごとに分けられており、東西の方向にそれぞれ5クラスずつ配置されていたため、混雑することはなかった。

菅野將は1組の生徒たちを自分たちのエリアに連れてきた。後ろには大きなプラスチック製の屋根が支えられており、バーベキューグリルもリゾートエリアが用意したもので、長さは約5メートルほどあった。

それに加えて、バーベキュー用の木炭、食材を処理する作業台、串用の鉄の串など、必要な道具は全て揃っていた。

明らかに、今回のバーベキューは食材を持ってきてすぐに焼けるというものではなく、みんなで協力して食材を串に刺したり、下処理をしたり、さらに自分たちで炭火を起こす必要があった。

夕日が西に沈み、地平線に大きな夕焼け雲が広がり、エメラルドグリーンの湖面も赤く染まって、とても美しかった。

生徒たちも時間を無駄にせず、それぞれ自分ができることを見つけて取り組み始めた。

そして当面の急務は、コンテストで勝ち取ったこれらの食材を串に刺すことだった。

幸いにもクラスの人数は多く、みんなはこの種の経験がなくても、それほど難しいことではなかった。

各クラスのエリアには、ホテルの専門スタッフが一人ずつ配置されており、生徒たちが分からないことがあれば助けてくれるようになっていた。

菅野將は串を刺している生徒たちに注意を促した。「みんな気をつけて、手を怪我しないように。」

やはり鉄の串を使うので、ある程度の危険性はあった。

「桃ちゃん、串刺しがすごく早いね!」

数人の女子生徒が二つのボウルに入った羊肉を慎重に串に刺していたが、彼女たちが一本刺している間に、高橋桃はすでに三本も完成させていた。

しかも、脂身と赤身がバランスよく、長さも適切で、とても完璧だった。

高橋桃は照れくさそうに笑った。「前に夏休みのバイトで焼肉店に行ったことがあって、昼間は串刺しを手伝っていたから、ちょっと経験があるんだ。」

高橋家の家庭環境があまり良くないことはみんな知っていたが、彼女がこんなに小さい頃からバイトをしてお金を稼がなければならなかったとは思っていなかった。