第805章:役を獲得

菅野將は少し驚いた後、思わず笑い出した。「君はいつも何事も目的があるね。これは私たちの白云市を代表して京都に行って競争するんだよ。なんて光栄な使命だろう」

そう言いながら、菅野將は表情を引き締め、真剣な口調で馬場絵里菜に言った。「それに君の現在の成績なら、このまま維持すれば、大学入試は絶対に問題ないよ。全国の名門校から好きなところを選べるんだ」

「それに君は前回の数学コンテストですでに加点をもらっているじゃないか。今さらまた加点が欲しいの?これ以上加点されたら頭が突き抜けちゃうよ!」

馬場絵里菜は少し恥ずかしそうに頭をかいた。「先生、ただ興味があって聞いただけです。加点されるかどうかは、実はそれほど重要じゃないんです」

「じゃあ決まりだね?君の名前を報告しておくよ!」と菅野將は尋ねた。

馬場絵里菜は実はあまり行きたくなかった。京都まで行かなければならないのだ。

彼女は前世で一人京都で奮闘し、京都で亡くなった。結局のところ、彼女はその都市に対して今でもまだ少し抵抗感があった。

しかし菅野先生は彼女に期待を寄せているようで、こんな重要な機会を彼女に与えようとしている。断るのは本当に難しかった。前回は学校の宣伝ビデオの撮影を断ったばかりだった。

「私一人だけですか?」馬場絵里菜は顔を曇らせて尋ねた。

菅野將は答えた。「枠は全部で二つだけで、どちらも私たちの第二中学校のものだよ」

「え?」馬場絵里菜はそれを聞いて、心が半分冷えた気がして、思わず言った。「まさか私と馬場依子じゃないですよね?」

高校3年生は大学入試の準備で忙しいから、この時期に京都へ行って何かの大会に参加する時間を無駄にするはずがない。

そうなると馬場絵里菜が思いつくのは馬場依子しかいなかった。結局、馬場依子は前学期に転校してくる前に海外で勉強していたので、英語はきっと上手いはずだ。

菅野將は馬場絵里菜の言葉の裏にある意味に気づいていないようで、淡々と答えた。「違うよ。もう一つの枠は高校1年生の担任が持っていて、誰に与えたのかは、実は私も知らないんだ」

「他人のことは気にしないで、後で私がスピーチ原稿を渡すから、それを暗記すればいいよ」

「自分で書かなくていいんですか?」馬場絵里菜は少し驚いた。

菅野將は彼女に意味深な視線を送った。