大田空は一瞬驚いて、「貸し切りですか?」
「はい」店員は頷いて、「入口に通知が貼ってありますが、お気づきにならなかったのかもしれません」
これが一橋景吾が大田空をWだと思った理由だった。
なぜなら、今日のカフェは一般客を受け付けていなかったから。
閉店の通知を見た人は皆、立ち止まる。
Wを除いて。
大田空は数歩後ずさりし、確かに店の入口に通知があるのを見た。「申し訳ありません。気づきませんでした」
言い終わると、大田空はカフェを後にした。
この光景を見て、一橋景吾は呆然とした。「ちょっと!なんで帰っちゃうんだ!」
「彼がWじゃないからだよ」と黒武が言った。
一橋景吾は風船から空気が抜けたように、「...興奮しすぎた」
しかし。
一橋景吾はすぐに立ち直った。大田空がWでなくても、Wが若い女性とは限らない。