そう思うと、小林桂美は溜息をついた。
昨日、値段を上げるべきではなかったと後悔した。
今どうすればいいのだろう?
そのとき。
一台の高級車がスーパーの入り口に突然現れた。
そして、車から二人のボディーガードが降り、続いて豪華な服装の金子大志と山口茹美が降りてきた。
後ろについてきたボディーガードは当然、二人の息子である金子財弥と金子昌也だった。
昨日は歩いて来たのに、今日になって小林桂美は彼らの車がランボルギーニだと気づいた!
お金持ちは違うものだ。
「奥様、いらっしゃいませ!」小林桂美はすぐに出迎え、笑顔を浮かべた。
山口茹美はレンタルしたバッグを持ったまま、小林桂美を見つめるだけで何も言わなかった。
後ろを歩いていた金子財弥が小林桂美を見て、「うちの旦那様と奥様は今日、共同経営の名義変更手続きのために来ました。小林さん、お考えはまとまりましたか?」