083:後悔が止まらない、グリーン茶女_4

母の言う通りだわ。

小林綾乃のような人と比べるなんて、自分の価値を下げるだけよ。

しばらくして、城井沙織は小林桂美を見上げて、「分かったわ、お母さん。私、もっと頑張るわ」と言った。

彼女は実力で小林綾乃を打ち負かすつもりだった。

小林綾乃とは違って。

見せかけだけの人間とは違うわ。

娘がこんなにも頑張っているのを見て、小林綾乃よりずっと優秀な姿を見て、小林桂美の目には喜びの色が満ちていた。

小林桂代は彼女に及ばない。

小林桂代の娘も彼女に及ばない。

彼女たちは永遠に私を超えることはできないわ!

——

大川素濃は4Sショップに車を引き取りに行った。

小林綾乃は小林桂代と一緒に美人亭に来た。

午前9時。

二つの店舗には既に行列ができていた。

多くの人々は未明から並んでいた。

そうしなければ前の方に並ぶことはできなかった。

小林綾乃は目の前の人の流れを見て、小林桂代と相談を始めた。「お母さん、私たち、もう2店舗開くのはどうかしら?」

小林桂代は軽くうなずいた。「私も最近そう考えていたの。ただ、新しい店舗の場所をどこにするか迷っているわ」

それを聞いて、小林綾乃はバッグから一枚の紙を取り出し、真剣に見つめた。

小林桂代は興味深そうに近寄って、「これは何?」と尋ねた。

小林綾乃は淡々とした口調で、「手書きの地図よ」と答えた。

毎回地図を見るために携帯を取り出して検索するのが面倒だったので、小林綾乃は手書きの地図を作っていた。

とてもシンプルだった。

しかし、彼女本人以外は、これが地図だと分かる人はほとんどいなかった。

小林桂代はうなずいて、「うん、少し抽象的ね」と言った。

小林綾乃は目を細めて微笑んだ。母の言葉は遠回しすぎる。

抽象的どころの話じゃないわ。

しばらくして、小林綾乃は地図を下ろし、続けて言った。「お母さん、北定区にしましょう」

小林桂代は青葉市にまだ慣れていなかった。「北定区はここから遠いの?」

「車で1時間くらいよ」と小林綾乃は答えた。

小林桂代は軽くうなずいた。「いいわ。おばさんもそろそろ戻ってくるはずだから、車で一緒に行きましょう」

「うん」

二つの店には店長もいて、他の販売員もいたが、忙しい時は本当に忙しかった。

小林綾乃も手伝っていた。