後になってやっと彼女は分かった。
彼女はおそらく臨海町の出身ではないから、同年代の人たちとこれほどの違いがあるのだろう。
しばらくすると、注文した料理が次々とテーブルに運ばれてきた。
大川素濃は食べながら頷き、思わず感嘆した。「この店の味は本当に素晴らしいわね」
青葉市に来てから、これほど本格的な農家料理を食べたのは初めてだった。
小林桂代は頷いた。
お年寄りがデザートの皿を持ってきて、テーブルに置きながら言った。「私と主人は生粋の青葉市の人間で、ここで五、六十年も商売をしているんですよ」
テーブルの上のデザートを見て、小林桂代は急いで言った。「おばさん、これは注文していないデザートですよ」
お年寄りは笑顔で言った。「これはお二人へのサービスです。蓮根芋餅で、全部手作りですから、召し上がってみてください」