鶏もも肉なら、植田雅静はなんとか食べられる。
でも、よもぎは本当に無理だ。
パクチーが苦手な人のように、植田雅静はよもぎには嫌な匂いがすると感じていた。
とても飲み込めない。
植田雅静は少し眉をひそめ、「お母さん、私はよもぎが好きじゃないの、あの匂いが耐えられないわ」
そう言って、植田雅静は茶碗を中村梅の方に押しやった。「やっぱりお母さんが飲んで」
これを聞いて、中村梅はまた不機嫌になった。彼女は植田雅静がわざとやっていると思った。わざと母親に逆らっているのだと。
今どきの子供はどうしてこうなのか?
「よもぎのどこに嫌な匂いがあるの?あなたは単に好き嫌いが激しいだけよ。だからそんなに痩せているのよ!」中村梅は植田雅静を一瞥した。「弟を見習えないの?彼は何でも食べるわ。あなただけがいつも好き嫌いして、これも食べたくない、あれも食べたくないって。それでも他の子より肉がついてるわけでもないでしょ!」