113:無事に目覚める_2

白川露依がまだ何か言おうとしていると、山下おばあさんは怒った声で言った。「もういい、もう言わないで。もし本当に何か問題が起きたら、責任は私一人が取るわ!」

山下おばあさんが突然怒り出したので、白川露依はびくっとした。

山下家に嫁いで何年も経つが、姑が怒るのを見たのは初めてだった。さらに驚いたことに、外部の人のために自分の嫁を怒るなんて!

待っていなさい!

山下おばあさんはきっと後悔することになるわ。

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一方。

数分後、山下莉理は車を運転して銀杏通りに到着した。

車を停めると、小林綾乃が団地の門から出てくるのが見えた。山下莉理はすぐに窓を下げて小林綾乃に手を振った。「綾乃、早くこっちに来て。」

小林綾乃は小走りで車に近づいた。「山下姉さん。」

山下莉理から電話を受けたとき、小林綾乃はもう寝ようとしていた。電話を切った後、彼女はクローゼットから適当にワンピースを取り出して着て、医療バッグを背負って急いで階下に降りた。

そのワンピースは小林強輝が買ってくれたものだった。

ピンク色で、彼女の肌によく似合っていた。街灯の光が彼女の顔を照らし、さらに清楚な雰囲気を加えていた。

灯りの下で美人を見ると、ますます幻想的に見える。

山下莉理は一瞬ぼうっとしてから言った。「綾乃、早く乗って。」

小林綾乃はドアを開けて助手席に座った。

彼女が乗り込むと、山下莉理はかすかな清々しい香りを嗅いだ。

とても淡く、とても微かな香り。

雨上がりの青竹のような香りで、人工的な香水の匂いとは違い、この清らかな香りは心を晴れやかにさせた。

この香りは山下莉理の動揺を和らげ、彼女は好奇心を持って尋ねた。「綾乃、何のブランドの香水をつけてるの?」

こんなに良い香りなら、きっと値段も安くないだろう。

小林綾乃は最初少し驚いて、それから自分の腕を嗅いでみた。「香水はつけてないわ、たぶんボディソープの香りかも。」

ボディソープの香り?

山下莉理は興味深そうに尋ねた。「何のブランドのボディソープ?」

私も買いに行かなきゃ!

「セーフガード。」小林綾乃は答えた。