115:嫉妬_5

笑死。

小林綾乃が選んだものなら、たとえ犬の糞が出てきても、山下言野はそれをドリアンだと言うんだろうな?

そして自分はドリアンが大好きだとも言うだろう。

「いいよ」小林綾乃は軽く頷き、メニューを受け取った。「私たち三人で料理を五品頼めば足りるかしら?」

一橋景吾は少し考えてから言った。「二、三品追加しようか。この店の料理は美味しいけど、量が少ないんだ」

「わかったわ」

言い終わると、一橋景吾はさらに付け加えた。「小林さんがカニが好きなら、ここのカニを試してみるといいよ。味は格別だし、外では食べられないよ」

それを聞いて、小林綾乃は隣の店員を見た。「じゃあ、白灼醉蟹も追加でお願いします」

彼女は合計で六品の料理と一つのスープを注文した。

山下言野が戻ってきたとき、小林綾乃はすでに料理を注文し終えていた。小林綾乃はメニューを山下言野に渡し、「鉄屋、これらを注文したわ。店員さんによると、料理が出てくる前なら変更できるって。何か食べられないものある?」

山下言野はメニューを受け取り、一橋景吾が予想した通り、真面目な顔で言った。「僕は何でも食べるよ」

実際。

一橋景吾だけが知っていた、山下言野さんが有名な食事の好き嫌いが激しい人だということを。

これも食べない、あれも食べない。

普段の飲料水さえ特別なものを使っている。

まさに水と油、相性ぴったりだな!

そう思うと、一橋景吾は満面の笑みを浮かべた。

しばらくすると料理が全部揃い、小林綾乃は写真を撮って小林桂代に送った。[ママ、友達と一緒に夕食を食べてるわ。あなたはいつ目的地に着く?]

[夕食いいわね、私たちはあと1時間くらいかしら]向こうの小林桂代が返信した。

彼女が下を向いてメッセージを送っているのを見て、山下言野は少し眉をひそめた。

メッセージを送って、写真まで撮って、彼女には彼氏がいるのだろうか?

山下言野は山下莉理に彼氏ができたときもこんな感じだったことを思い出した。

毎回食事をするたびに写真を撮って彼氏に送っていた。

一橋景吾はすぐに山下言野の考えていることを見抜き、小林綾乃を見て冗談めかして言った。「小林さん、何か進展があるの?」

「どんな進展?」小林綾乃は好奇心を持って尋ねた。