117:人が呆然とした_7

とにかく来たからには、絶対に無駄足にはしない。

だから、美人亭を買いに青葉市へ行く人のほとんどは、青葉市で数日間観光することを選ぶ。

そう考えて、木下文月は金子克文を見て、続けて言った。「金子部長、私たちの若葉市は青葉市に全く劣っていません。ただチャンスが足りないだけです。今回のチャンスをつかめば、必ず青葉市を超えられます!」

金子克文は木下文月の話を真剣に聞いていた。そして顔を上げて、「木下さん、君が今言ったような状況は確かに存在するかもしれない。このスキンケア製品を買うために若葉市に来て滞在する人もいるかもしれないが、そう多くはないと思うよ!結局、君のような人はまだ少数派だ!誰がスキンケア製品を買うためにそんな遠くまで行くんだい?美人亭に並んでいるのは間違いなく青葉市民だろう!」

これを聞いて、木下文月は首を振り、すぐに反論した。

「いいえ、違います。私はその時特に聞いてみたんですが、青葉市民はほとんどいなくて、ほとんどが全国各地から来た人たちでした!信じられないなら、オフィスで聞いてみてください。何人が美人亭を買うために並んだことがあるか。」

金子克文は笑いながら言った。「聞くまでもないよ。きっと君だけだろう。」

オフィスの中で木下文月が一番若かった。

若い女の子は活力があり、スキンケア製品を買うために遠く離れた都市まで行くことができるが、他の既婚者たちは、木下文月のようにそこまで熱中することはないだろう。

木下文月は金子克文の袖を引っ張って、「聞いてみてください!」

金子克文は仕方なく、木下文月の後について、オフィスに入った。「皆さん、ちょっと静かにして、手を止めてください。一つ質問があります。」

これを聞いて、全員がすぐに手を止め、顔を上げて金子克文を見た。

金子克文は続けた。「女性の皆さんは美人亭をご存知ですよね?」

「知ってます!」

「はい、美人亭はとても良いので知っていますよ。」

みんなの反応は金子克文の予想を超えていた。美人亭は青葉市だけで有名だと思っていたが、オフィス全体の女性が知っていたとは。

金子克文は続けた。「では、誰か実際に青葉市に行って美人亭を買ったことがありますか?」

「はい、私です!」

「私も行きました!」

「オフィスの女性はみんな行ったんじゃないですか。」誰かが笑いながら言った。