120:恥をかく_6

小林綾乃は続けて指示した。「明日、私の言ったことを法務部の木下さんに伝えて、彼女に契約書の草案を作成してもらってください。その契約書を持ってアストリッドに会いに行ってください。アストリッドが同意すれば契約を結び、同意しなければ、私たちは代理店を急いで探す必要はありません。」

花が咲けば、蝶は自ずと集まる。

小林綾乃は代理店の問題について少しも心配していなかった。

「うん。」小林桂代は軽く頷き、言葉が落ちると、続けて言った:「そういえば綾乃、学校の創立記念日はいつ?」

創立記念日は保護者が見学できる日だった。

しかし小林桂代は最近忙しく、事前に時間を空けておく必要があった。

「明後日。」小林綾乃は答えた。

明後日?

それを聞いて、小林桂代は少し眉をひそめた。

明後日は彼女が若葉市に行って重要な契約を結ぶ予定で、すぐには戻れないかもしれなかった。

最も重要なのは、この契約は大川素濃に代理で署名させることができないことだった。

しばらくして、小林桂代は笑いながら言った:「創立記念日は何時から始まるの?」

「午前10時です。」小林綾乃は答えた。

午前10時?

もし午後なら、小林桂代はまだ何とかできるかもしれなかったが、あいにく午前中だった。

どうやら、電話をして契約の件を前倒しにするしかなさそうだった。

「わかった、明後日の午前中に時間通りに行くわ。」小林桂代は続けて言った。

小林綾乃はご飯を一口食べて、何気なく言った:「実は創立記念日には特に実質的な内容はないんです。必ず参加しなければならない保護者会でもないし、それにこの時期はとても忙しいでしょう。行かなくてもいいですよ、卒業式の時に来てください。」

言葉が落ちると、小林綾乃は小林桂代の方を向いて、「お母さん、私は本気です。」と言った。

彼女はもう幼稚園児ではなく、何事も誰かに付き添ってもらう必要はなかった。

「これは、これでいいの?」小林桂代は尋ねた。

小林綾乃は笑いながら言った:「何も問題ありません。私たちのクラスでも多くの保護者が行かないんですよ。」

学校の講堂はそれほど大きくなく、もし保護者全員が来たら、本当に収容しきれないだろう。

しかし小林綾乃が言わなかったのは。

舞台で演技する生徒の保護者はほとんど来るということだった。