第174章 杉本瑠璃の反撃(3)

車のドアが開くと、生徒たちは身を乗り出して、中の人物が誰なのか見ようとした。

杉本瑠璃が車から降りてくるのを見た時、全員が沸き立った。

なんと杉本瑠璃だった!

三島様ではない!

これはどういうことだ?

今や紅葉学園で杉本瑠璃の名は広く知られており、全員が彼女を知っていた。彼女は控えめに行動すると思われていたが、今日はこのように派手に、直接車で学内に乗り入れてきたのだ。

ふふ、これは面白くなってきた。

周りの人々は様々な表情で杉本瑠璃を見つめていた。杉本瑠璃も自分が注目の的になっていることを知っていたが、動揺することなく、運転手に挨拶をして、そのまま経済学部の建物に入っていった。

教室に入るとすぐに、鈴木てんいちと高橋智樹が一列目に座っているのが見えた。面白いことに、彼らは自分たちの元の席、つまり今の杉本瑠璃の席には座らず、入学初日のように、杉本瑠璃の隣の席を選んでいた。